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佐喜眞義肢、CBブレースに関する
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2019年4月25日

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リハビリテーション随想


社会リハビリテーション(94) 
-CBブレースとの出会い―

長崎市障害福祉センター長  
     穐山 富太郎

 CBブレースとの出会い、平成二十五年一月二十六日沖縄で開催され た”片麻庫ゴルフコンぺin沖縄”)のもようを記録したビデオだった。ビデオはコンぺの顧問として参加された熊本保健科学大学教授山元総勝先生からいただいたものだった。  

 杖がわりにゴルフクラブを片手に不安定な歩きをする人も、CBブレースの装着で、反張膝、内反、外反膝などが矯正されて痛みも軽減、足取りが安定したとのことで、プレーを楽しむ姿に感銘を受けた。

 CBブレースには変形性膝関節症用、反張膝用、スポーツ用、長下肢用などがある。私は主として反張膝を伴う症例に使用して歩行障害の改善を得たので、その効用を紹介したい。脳性まひや、びまん性軸索損傷、 脳卒中などの中枢神経性歩行障害は、 痙性性麻陣や運動失調に伴う筋力低下と立位バランス機能低下による。一般的に痙縮の強さに応じて、筋力損失をきたすので、痙縮の抑制と同時 に筋力強化と立位バランス機能訓練が求められる。痙縮の抑制には運動療法、cast療法、ボツリヌス療法、手術療法などがあるが、運動機能の向上には筋力強化と感覚-運動パターンの万回学習が欠かせない。
CBブレースには膝関節を安定させ、痛みを軽減させる効果があるため、運動量を増やすのに有利である。CBブレースは変形性膝関節症の治療に効果を発揮するが、私は主として脳性まひなど中枢神経歩行障害の反張膝にCBブレース装着下のトレッドミル歩行や、屋外歩行などの運動療法を推奨している。

 CBブレース考案者佐喜眞保氏も筋肉を養い、自分の足で歩く喜びを知ってほしいと、CB装具装着と同時に筋力トレーニングを開始することを強く推奨されている。このことが”片麻痺ゴルフコンぺin沖縄”に結びついたようだ。奇抜なアイデアに感服している。

 CBブレースの治療対象は脳性まひ、びまん性軸索損傷、脳動静脈奇形など二十二名だった。いずれもCBブレースの利用により立位機能、歩行機能の改善を得たが、以下、数症例を紹介する。

 両麻痺型脳性まひのH・R例 (女)は鋏状肢位の改善目的で六才時に両股・膝関節周囲筋の解離延長術を受けたが、両下肢の著しい筋力低下と反張膝を呈し、十三才になっ てもひとり立ち困難だった。膝歩き運動に加え、CBブレース装着下のトレッドミル歩行運動に励み、十五才で室内監視歩行を獲得することができた。CBブレースが膝関節を安定させ、ハムストリングス、大腿四頭筋、腸腰筋、殿筋などの筋力強化や立位バランス獲得に好影響を及ぼしたものである。つたい歩きの両麻痺型脳性まひのI・M例(女)は 四十才過ぎて変形性膝関節症が進行、 立位保持やトランスファーに際して、 左膝が反張位を呈するため、右下肢に負担がかかり、内反膝を伴う右膝に激痛をきたしたが、左反張膝にCBブレースを装着したことにより左下肢の支持性が改善、右膝関節痛も軽減した。内反膝を伴う右変形性膝関節症に対しても、近々CBブレースを製作予定である。

 両下肢に著しい運動失調を伴った、びまん性軸索損 傷のY・I例(男、四十才)、脳動脈奇形に伴う小脳出血後遺症のH・T例(女、二十五才)とも左膝反張膝を呈し、独歩困難だったが、CBブレース装着により膝関節が安定してトレッドミル歩行運動が上達、膝立ち、膝歩きもできるようになった。二例とも寝たきりになりそうな重症例だったが、現在、前者は水中歩行および平行棒内歩行が、後者は室内監視独歩および歩行器利用による屋外歩行が できるようになった。CBブレース装着で運動量を増やせたことが効を奏した。

 外傷性左反張膝(脛骨近位端骨折および前十字靭帯損傷後遺症)のT・T例(男四十才)は頑固な歩行時痛に悩まされていた。遠方からの患者だったため、CBブレース開発者佐喜眞保社長から直接研究用としてCBブレースを提供していただき装着した。その結果、膝の過伸展が起こらず安心して歩くことができた。 歩行が安定したため雨天も気になることがなくなり、屋外も杖なしで歩いている。患肢の筋力もつき、歩行バランスも良くなってきた。患肢と反対側の頑固な腰痛もおさまり、お祭りをひかえ、活動できるようになったことが嬉しいと感謝された。


 まとめ、反張膝用CBブレースの 利点は

一、膝関節を安定させ、痛みを軽減 できるため、運動量が増える。 その結果、
 筋力が強化され、立位バランス機能が改善する。

二、多軸継手によりスムーズな可動性があり、あぐらと正座も可能である。

三、サポーターには伸縮性の素材を使用。装着しやすく、独自のべ ルトによ
  り、装具のズレ落ち防止がはかられている。

四 、それでも装具のズレ落ちが課題であったが、カーボン製支柱へ改変され
  てから軽くなると同時にズレ落ちがなくなった。

五、本装具最大の利点は、装着したままスポーツや歩行運動を楽し むことがで
  きることである。

ふきのとう 第119号  より転載

発行者:医療法人 祥仁会 介護老人保健施設 ろうけん西諫早